
退院はだいたい術後7日目

筋層下ナス法による漏斗胸手術の術後の経過は、例えば水曜日に手術をした方であれば、術後7日目の、翌週の木曜日に退院するのが普通のパターンです。退院後は、松山に2泊していただき、2日後の土曜日に外来受診となります。その後外来を受診していただいて血液検査、レントゲン、CT、心電図、呼吸器機能の検査をしていただいた後、お帰りいただけます。
この時、20人のうち1人くらいの方は、特に血液検査術後の炎症反応等が十分落ちていないということで、抗生物質を追加投与して、再検査が必要です。再入院して様子を見ることもあります。
退院後の検査・その後のご連絡

退院した1ヶ月後に、ご来院いただき、同じような検査をします。この時に行う心エコーの検査結果を見れば、術前の心エコーと比べ、漏斗胸が改善していることがよくわかります。
たいていの方は、問題なく一日でお帰りいただけます。
この後は、電子メールでのご連絡になります。2回目の手術まで来院する必要はありません。
半年後、電子メールでご様子を伺って、問題がないようであれば、その後は運動をしていただいても大丈夫です。
バーを抜く二期的手術をする日を決定

それから大人の方であれば漏斗胸手術から1年半後、お子さんであれば手術から6ケ月後に、また電子メールで近況を伺って、バーを抜く二期的手術をする日を決めます。
バーを抜くのは、大人の方であれば漏斗胸手術から3年後、お子さんであれば2年後です。
子供と大人の区切りは、手術した年が19歳であれば2年後に抜くことになりますが、手術を行った年に20歳だった人は3年後にバーを抜く手術をすることにしています。
ただし女性の場合で少し華奢な方などは、手術時が21歳であっても2年後に抜くような判断をするケースもあります。
バーをある程度体内に入れておかなければならない理由は、肋骨の線状骨折は3ヶ月程度ですぐに治るのですが、胸骨が内臓を下に押し付ける力というのは非常に強くて、肋骨を直しただけでは足りませんから、胸骨の位置も正常に上げるためにはしばらくの期間バーを置いておく必要があるのです。
漏斗胸・胸郭変形の症状でお悩みの方はお問い合せください
このコーナーでは、このすぐれた漏斗胸治療法である筋層下ナス法について、受診のお問い合せから、実際の手術法、術前検査、患者側の準備、医師側の心づかい、筋層下ナス法のメリットまで、まとめて詳しくご説明しています。ご自身やご家族の漏斗胸の症状についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。
疑問点などは、お問い合せフォームからご質問いただければ、なるべく早くお答え申し上げます。
すべての漏斗胸患者のみなさんが、一日も早くお悩みから解放されることを祈念しております。