バーを抜く手術(二期的手術・バー抜去術)|漏斗胸の治療なら松山笠置記念心臓血管病院

バーを抜く手術(二期的手術・バー抜去術)

手術創を増やさずにバーを取り出しきれいに縫合

大人の方であれば漏斗胸手術から3年後、お子さんであれば2年後、いよいよバーを抜く手術を行います。

前日に当院にお越しいただいてまず血液検査、レントゲン、心電図、呼吸器、心エコーの検査を行い、それから入院していただきます。

漏斗胸手術2 前回の手術瘢痕と同じところを切開

翌日が手術日です。

皮膚切開創を増やさないため、前回の手術瘢痕(はんこん)と同じところを切開します。違うところを切開すれば、それだけ手術創が増えるからです。

そこから前回の手術と同様に、前方の大胸筋及び後方の前鋸筋を、肋骨及び肋間筋、肋軟骨及び肋間筋から剥離し、留置したバーにたどり着きます。

漏斗胸手術2 筋層下ナス法では、バーの端は傷口の外側まで入っている

筋層下ナス法では、バーの端は傷口の外側まで入っている 筋層下ナス法では、バーの端は傷口の外側まで入っているので、バーの向こう側まで大きめのポケットを掘り、バーを左右に大きく動かしながら、エンジンジャッキでうまく持ち上げて傷口の外に出して、器具でまっすぐにします。反対側のバーの端も同じように傷口の外に出して、引っ張ってバー自体をまっすぐにし、まっすぐになったところで引っ張って抜き取ることになります。

漏斗胸手術2 ドレーン(排液管)を挿入して留置

その際、1度目の手術と同様に、左右の胸腔内に、1度目の手術の時と同じところから1本ずつドレーン(排液管)を挿入して留置します(これは術後約3日後に抜きます)。

止血して、1度目の手術の時の糸を抜糸し、筋層下のポケットに生理食塩水を満たして、筋層、皮下組織、皮膚を縫合閉鎖して手術は終了します。

漏斗胸手術2 筋層、皮下組織、皮膚を縫合閉鎖

長い間体内に留置していたバーは、肋軟骨のような柔らかくて弾力性がある強い膜で覆われています。

特に成長期のお子さんの漏斗胸の場合や、年長者でもある程度力仕事などをして胸の運動をしていた方の場合、肋骨の上から骨の組織ができて、肋骨に接しているバーの上を骨の組織が被ってしまうことがあります。

そうすると手術の時に、簡単にバーを抜けないので、バーの上の骨を削ってバーを露出してから抜くことになります。

1ヶ月後の再検査で漏斗胸治療は完了!

 1ヶ月後の再検査で漏斗胸治療は完了!

この手術の後は、術後4日目に退院していただけます。

その日は外で1泊していただいて、翌日外来受診していただき、検査結果に問題無いようであれば、お帰りいただくことになります。

その後、1ヶ月後にもう一度お越しいただいて診察を行い、異常がなければ当院における漏斗胸治療は完了です。

当院で漏斗胸治療を行う方は、治療完了までに5回松山にお越しいただくことになります。

最近はLCCの便が充実していますので、関西の方は関西空港から、関東の方は成田空港から格安運賃でこられる方が増えています。また日本航空や全日空でも、早割を使えばとても安く済みます。漏斗胸の手術日はずいぶん前から決まっていますから、早めに飛行機のチケットを取っておけば交通費の負担は抑えられるようです。

漏斗胸・胸郭変形の症状でお悩みの方はお問い合せください

このコーナーでは、このすぐれた漏斗胸治療法である筋層下ナス法について、受診のお問い合せから、実際の手術法、術前検査、患者側の準備、医師側の心づかい、筋層下ナス法のメリットまで、まとめて詳しくご説明しています。ご自身やご家族の漏斗胸の症状についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。

疑問点などは、お問い合せフォームからご質問いただければ、なるべく早くお答え申し上げます。

すべての漏斗胸患者のみなさんが、一日も早くお悩みから解放されることを祈念しております。

  • 下肢静脈瘤について
  • スタッフ紹介
  • 看護部リクルート

漏斗胸治療

診療時間 休診日

漏斗胸のアクセス・駐車場について