痛みの少ない漏斗胸治療を目指して|漏斗胸の治療なら松山笠置記念心臓血管病院

痛みの少ない漏斗胸治療を目指して 筋層下ナス法による漏斗胸手術のすべて

術中・術後の痛みを抑える工夫

「漏斗胸の手術は痛い」

「漏斗胸の治療は痛い」と思い込まれている方が少なくないようです。当院では豊富な経験から、なるべく痛みを抑える治療を追求しています。

最初の手術で、2本目のバー(身体に残すバー)を入れる際に、肋骨との調整を考えながらバーを置き、丈夫な糸で左右それぞれ2本の肋骨に縛れば、バーが骨膜に当たって起きる術後の痛みを、かなり軽減できることが経験的にわかっています。

痛みを感じることがなければ、痛み止めを飲む必要がありません。

術中から、切開した部分の周辺に局所麻酔剤を打ち、神経ブロックでしびれを起こして痛みを感じないようにしています。これはだいたい24時間効果が続きます。ナス博士は、脊椎の中まで針を刺し、その中にチューブを通して麻酔薬を注入する硬膜外麻酔を行っていたのですが、これだとチューブを抜いた後に痛みを感じることが多いようなので、当院では行っていません。

ASV(二相式気道陽圧ユニット)

術後には、呼吸管理・疼痛管理のために、ASV(二相式気道陽圧ユニット)という機械を使って人工呼吸を行います。ちょっと息をすれば機械が肺に空気を送り込んでくれますので、自分の力で吸い込む努力をせずにすみ、かなり痛みが緩和され楽になります。

手術が終わった直後からは、胸部外科としての痛み止めを行います。静脈注射で特殊な痛み止めを打ち、痛みを鎮静します。

その後、最近よい痛み止めの薬ができましたので、これを服用すれば退院する頃までには痛みをずいぶん抑えることができます。だいたい入院3日後くらいまでは、痛みを訴える方もいらっしゃいますが、それ以降はあまりいらっしゃいません。

漏斗胸治療と胃がんの手術、どちらが痛い?

漏斗胸手術と胃がんの手術、どちらが痛い?

当院ではこれまで2例ほど、胃がんの手術を先にした患者さんに、その直後に漏斗胸の手術を行ったというケースがあります。手術が終わった後に患者さんに、「漏斗胸の手術と胃がんの手術と、どちらか痛かったですか?」とたずねたところ、お二人とも「胃がんの手術のほうが痛いに決まってるじゃないですか。胃の手術は術後に呼吸で腹が動くんです。漏斗胸のほうはバーでしっかり固定していて動かないんですから」と答えておられました。

実際に手術を受けた患者さんのそうした感想を聞いてみると、漏斗胸治療の痛みのレベルはそう高くないと考えられます。女性の方はお産もするので、痛みに強いとも言えます。

バーを抜くまでの2~3年間は、やはりあまり痛みを感じられることがないようです。しかし念のために痛み止めはお渡ししておきます。

神経痛と同じで、中には冬場の寒冷前線が通ったときや、台風の時に痛みを感じる人がいるようです。

バーを抜く手術は楽、抜いたあとは自由を実感

バーを抜く手術は楽、抜いたあとは自由を実感

バーを抜く2度目の手術の感想を患者さんに聞いてみると、まったく痛みを感じなかったと言う人もいれば、「痛かった」と言う人でも「だいたい1度目の手術の3分の1くらいの痛みだった」というご感想です。

2度目の手術は楽だし、せいぜい1日で痛みは取れると考えていただいてよいでしょう。

バーを抜いた後の感想を伺ってみると、「バーが入っていたときはなんとなく拘束感を感じていたけれど、それに慣れていました。だけどバーを抜いてみると本当に自由になれた感じがしてうれしい」とみなさんおっしゃいます。

漏斗胸の手術をしたご年配の方のなかには、バーを入れた後そのままにしてる人もいるようですが、抜いたほうが絶対にいいですよ。ご相談いただければ当院で抜くこともできますから、お気軽にお問い合せください。

漏斗胸・胸郭変形の症状でお悩みの方はお問い合せください

このコーナーでは、このすぐれた漏斗胸治療法である筋層下ナス法について、受診のお問い合せから、実際の手術法、術前検査、患者側の準備、医師側の心づかい、筋層下ナス法のメリットまで、まとめて詳しくご説明しています。ご自身やご家族の漏斗胸の症状についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。

疑問点などは、お問い合せフォームからご質問いただければ、なるべく早くお答え申し上げます。

すべての漏斗胸患者のみなさんが、一日も早くお悩みから解放されることを祈念しております。

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