病院長インタビュー(Page 2/3)

患者さま第一の漏斗胸手術

患者さま第一の漏斗胸手術

漏斗胸手術とは具体的にどのように行われるのでしょうか?

漏斗胸の手術

現在、漏斗胸手術で主流となっているのが、米国の小児外科教授Dr.Nussが考案したナス(Nuss)法(※)です。当院では現在100%の症例をNuss法で行っています。

バーを挿入後、経過観察をおこない数年後に抜去手術を行うので、2度手術を受けることにはなりますが、傷口は小さく、手術後の痛みも少ないなどのメリットがあります。

ナス(Nuss)法で身体に金属バーを入れるというのは、ズボンをプレスして折れ加工するのと同じと考えてください。「かっこいい胸」の形を身体に記憶させるのです。

この金属バーは手術後、早ければ9ヶ月位で抜くこともありますが、基本的には1.5年から3年くらいで抜くことが多いですね。

実際に当院では数多くの抜去手術を行いましたが、抜いた方からは「枷がなくなった感じだ」という声を聞きます。

本来であれば身体に入っていた不自然なものを後日取り出す、という点から見てもナス(Nuss)法というのはしっかりしていますね。

また、当院ではこのナス(Nuss)法に工夫を加え、患者さまに負担の少ない方法で施術しています。

例えば体内に挿入する金属製のバーは手術前に成型しておきます。これをすることで手術時間が短縮できる上に、執刀に全ての力を注ぐことができますからね。

また、エンジンジャッキで前胸壁を持ち上げたり、挿入した金属バーが位置異常をきたさないように固定方法を工夫するなど様々取り組んでいます。

こういった工夫や改善は学会や研究会等で発表して、日々研鑽を積んでいます。

※ナス(Nuss)法とは?
へこんだ胸骨の裏側に金属製(ステンレスやチタン)のバーを通し、胸骨を裏側から前方へと押しだして矯正するのがナス(Nuss)法です。

»さらに詳しい説明はこちらをご覧ください。

漏斗胸患者の診察風景

語りつくせない「ふれあい」

これまでの患者さまとの印象的なエピソードを教えてください。

これまでに多くの患者さまと接してきましたから、忘れられないエピソードというのは本当に語り尽くせないほどあります。

県外からお越しの患者さまで、手術後、退院をした次の日に「元気になったから」ということで、松山の美味しいものを食べに行った方がいるんですよ。ところが、手術がうまくいって嬉しかったのか、食べすぎでお腹が痛くなって別の病院で救急に運ばれてしまった・・・ということがありました。

このときは本当にまいったので、それ以降の患者さまには「退院するときに食べすぎで救急車に乗るのはやめてくださいね」とお話しています。(笑)

また、随分前に漏斗胸手術をした患者さまがいたのですが、医師の国家試験を控えた大学生になり、「金属バーを抜いても本当に大丈夫か?また凹んだりしないのか?」といった内容のメールをもらいました。

そのときは「これから試験や研修で今以上に大変になるんだから抜いたほうが良いと思うよ」と話をして手術をしました。

抜去手術が終わると「胸の枷がなくなったみたいで、本当に楽だ!これなら国家試験も乗り切れる!」と言って嬉しそうに帰って行ったのは特に印象的でしたね。

大人の方の漏斗胸治療手術をたくさん行っています。痛みの少ない漏斗胸治療のために努力しています。

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